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運動エネルギーの生成過程
筋収縮のためのエネルギーは、ATP(アデノシン三リン酸)分解して、ADP(アデノシンニリン酸)とリン酸になる過程で発生する。
しかし、体内に蓄積できる量は少なく、なんらかの方法で補給する必要がある。ATPはADPとリン酸とから再合成されるが、そのためのエネルギーは三つのルートによって補給される。
ATP-PC系:(リン原質系)(無酸素系)
筋細胞に貯蔵されているクレアチンリン酸(PC)が、クレアチンとリン酸に分解するときに発生するエネルギーがATPの再合成に利用される。
エネルギーの発生機構が似ているので、ATP-PC系と読んでいる。<BR>酸素を必要としない無酸素過程でエネルギーを発生するので、極めて速く、しかも大きなエネルギーが爆発的に放出されるので、強いパワーを発揮できる。エネルギーの発生速度が速いのは、糖の分子構造や水に溶けやすいという性質が起因する。
また、糖はタンパク質とくっつきやすく、糖が過剰になると、血管のタンパク質とくっついて、疾病の要因となる。エネルギー発生の持続性は低く、強度の高い運動では10秒前後である。
三分以内には完全に回復できる。
乳酸系:(無酸素系)
グリコーゲンが無酸素的に分解して、ピルビン酸となり、さらに乳酸にまで分解する嫌気的解糖過程で発生するエネルギーを、ATPの再合成に利用するものである。
エネルギーの発生速度は、ATP-PC系ほどではないが速く、比較的強いパワーを発揮できる。しかし、エネルギーの発生効率はあまりよくない。
また、乳酸が筋や血液中に蓄積することによって一時的な筋疲労を起こし、運動は1~2分くらいしか続かない。
乳酸はミトコンドリアで酸化されエネルギーとして利用される。
有酸素系
グリコーゲンが有酸素的に分解して二酸化炭素と水になる過程で、このときに発生する大量のエネルギーをATPの再合成に利用する。
この反応は細胞質内のミトコンドリアで営まれ、エネルギー源としては、グリコーゲンのほか、脂肪やタンパク質も用いられる。
有酸素系はエネルギーの発生効率が高く、乳酸系の約13倍くらいである。(クレブス回路)強いパワーは発揮できないが、乳酸を生じないので、持続的にエネルギーを発生することが出来る。
脂肪はトリグリセリドとして脂肪組織と筋骨格に貯蔵され、これがグリセロールと脂肪酸に分解されて、その遊離脂肪酸がミトコンドリアにてベータ酸化という過程を経てエネルギーを産出する。脂肪は、炭素と水素が長くつながった構造をしている。これは蓄積されやすいように余分なものを除いた構造になっている。<BR>余分なものがないということは、逆に利用の際には手間がかかるということである。
好気的条件下では、グルコース1モルと酸素6モルからATP38モルが生成され、脂肪酸1モル(パルミチン酸の場合)と酸素23モルからATP130モルが生成される。脂肪酸は、健常心筋の主たるエネルギー源で、安静空腹時では、エネルギー産生の2/3~3/4を脂肪酸のB酸化に依存している。
筋力トレーニングにおけるエネルギーの主役は、グリコーゲンであるが、食事内容や、代謝系や体質の変革により、脂肪を主役にすることも可能である。(詳しくは、栄養学のサイトを)また、トレーニングの際に、どの経路でエネルギーを消費するかは、その方法や強度により、複雑になってくることは言うまでもない。