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201310/16

免疫と老化

免疫に絡んだ問題でストレスと並んで比較的新しい話題というのが、「老化」という問題のようです。

 

で、老化とは何なのかということの結果を先に書きますと、「判らない」というのが答えだそうです(^^;;;;;

これで、この話を終わらせてしまうのもなんですので、ちょいと説明を(^^;

 

まず、私達が普段の生活で、ごく自然に使っている「老人」という言葉が指し示しているのは一体どのような人なのかを考えてみましょう。

まずは、「年齢」というものからのアプローチをば。まず、よく言われる「高齢化社会」というやつですが、この定義がまたは

っきりしない(^^;

これには、2つの考え方があるそうです。

一つは、その構成員の平均年齢が65歳を越えたときに、その社会を高齢化社会と呼ぶというのと、構成員の中で老人の占める割合が7%を越えた時、その社会を高齢者社会と呼ぶという考え方だそうで、現在は、後者を採用しているそうです。

で、ここで出てくる「老人」の定義が問題になります。

WHOでは、65歳以上を老人と定義しているそうですが、これがまた考えてみるとおかしい(^^;

64歳と364日目の人は老人ではないのですが、一晩眠って目覚めると老人になっているわけです(^^;;;;;

老人を老化した人というのであるなら、生体機能が低下した人とも置き換えられるのですが、その日を境に急に生体機能が老けるわけではありません

(^^;

この線引きの方法は、便宜上の線引きに過ぎません。

 

そこで、この老人を無理なく定義するためには、老化とは何かというところに行き着くわけです。

現在、老化に関しては2つの学説があるそうで、「プログラム説」と「エラー蓄積説」というものだそうです。

プログラム説は、生まれたときから生物毎に寿命は決まっているとするもので、染色体上にある遺伝情報によって、卵から発育・成長していき、老化もその延長線上にあるとする考え方です。

即ち、プログラムされた細胞死であるアポトーシスを老化の主因と考えるというもののようです。

これに対して、エラー蓄積説の方は、紫外線や宇宙線等の外界の影響を老化の主因と考える説で、これらの影響により細胞の中にエラーが次第に蓄積されてある段階を越えてしまうと、細胞が死ぬという考え方だそうです。どちらの説も、いくつかの根拠を上げて語られているようですが、この他の原因なのかも含め、今のところ決定的な証明がなされていないのだそうです。

 

どちらの学説が正しいのかは、とりあえず置いておいて、実際に体内では加齢と共にどのような変化が起こるのか、また、どのような変化が起こらないのかをまず見てみたいと思います。

 

歳をとると、シワシワになってしまいます(^^;

これはっ!ということで、細胞の分裂・増殖能力を老化の指標に出来るか・・・・と思うのですが、どうやらダメのようです(^^;

先にも書きましたように、人の細胞の場合、接触停止という機能を持っていますし、接触しないような環境で培養をしても、やはり一定の分裂を繰り返しますと、分裂能力を失います。これだけを見ますと、しっかりと指標になるように思えるのですが、例えば、人の細胞でもガン細胞は無限に増殖する能力を持っていますし、逆に、神経細胞等は、生まれた時点で既に増殖能力を失っていますが、神経細胞は活動を続けて、脳神経系の働きは次第に高まっていきます。

この他にも、心臓の筋肉組織も分裂能力を持っていないそうです。

ですから、細胞の分裂能力から老化を考えると、ガン細胞が非老化を証明する細胞で、神経細胞や心臓の筋肉細胞は、生まれたときから老化してしまっている細胞という矛盾にぶち当たってしまいます。

 

んじゃ、他には・・・・てぇと、器官の機能低下!!

確かに、加齢と共に、各器官の機能は低下していくのですが、生殖年齢の時にも既に機能の低下は見られ、「老いたから」低下するというわけではなさそうです。

器官の萎縮も進行の度合いは、器官によってまちまちですし、個人によっても差があるので、これを指標には出来ないようです。

 

この辺が、老化を「現代科学の最後の難問」といわしめている理由のようです(^^;

 

さて、じゃ、本題の免疫系の方はどうなんでしょう?

免疫系は、非常に加齢の影響を受けにくいのだそうです。

 

以前、1歳から100歳までの人のリンパ球を詳しく調べてみたところ、T細胞・B細胞共に、その働きに年齢の差を見つけることが大変難しかったそうです。

が、ここには、統計の取り方のマジックがありまして(^^;

現在、高齢でも元気な人というのは、元々若いときから健康度の高い人であって、ある意味では特別な人である可能性もあり、健康度のそれほど高くなかった人は、既に調査しようにも土に戻ってしまっていらっしゃるということも考えらるんだそうでして(^^;

 

老化を考える場合には、やはりなにかしら老化に関わる遺伝子レベルでの動きがあると想定できる様ですが、実際、歳をとると活性化するものってのが、体にはたくさんあるそうです。

眉毛が太く長くなったり、皮膚のリポフスチンという物質を作り出す遺伝子も活性化されて、シミがたくさん出来てきたりします。妙なのが活性化するわけですが(^^;、困ったことにこの活性化されるものの中に、癌に関連した遺伝子も含まれているそうです。

 

加齢と免疫系の関係を考える場合に、癌と自己免疫疾患というのが大きな問題になるようです。

他の機能と比べると加齢の影響を受けにくい(おそらく300歳くらいになっても、基本的な機能はなくならないであろうとのこと(^^;)とはいえ、おおよそ60歳代に入りますと、T細胞のパターンに少しづつ変化が現れるようですし、自己抗原と反応してしまう抗体等の量が増えてくるそうです。

これは、これくらいの年齢で胸腺の機能がほとんど後退してしまうために、これら免疫系の教育振り分け器官が機能しなくなってくるのが原因なのではないかとも考えられるようです。

他の免疫系と違って、加齢と共に明らかに弱くなるのがNK細胞系の免疫だそうで、これが、加齢と共に癌の発症率が上がる原因のようです。

 

加齢によるT細胞やNK細胞の数の低下は見られますが、それがすぐに一般生活に影響を及ぼすことは少ないそうです。

というのも、ほとんどの人の場合、そうとうな高齢になっても、幹細胞は充分に残っていますので、充分なB細胞が作られ、血中の抗体の量も変化しないそうです。

とはいうものの、緊急事態の様な場合には、どうしても免疫系全体の活力が低下してきていますので、若いときに即時対応出来たような事でも、すぐに対応が出来ず、若い時よりも時間がかかってしまうようです。

ですから、歳をとりますと、癌や自己免疫疾患とともに、日和見感染症が問題になってくるのだそうです。

 

 

他の機能と比べますと、加齢の影響を受けにくいとはいえ、やはり低下する免疫機能をなるべく低下させないためにはどうすればよいのでしょうか。

免疫系は神経系とにていると良く言われるそうでして、確かに記憶という機能を持っていたりしますが、神経系の記憶能力というのは、加齢と共に著しく低下するのは良く知られています。

ちと、極論かもしれませんが、個体の維持というところだけから見ますと、頭の方が少々ぼけても支障ありませんが、免疫系がぼけますと個体維持が果たせませんので、この様に頑丈に出来ているのであろうとのことです(^^;

 

で、神経系も免疫系も、ぼけを防ぐにはやはり適度の刺激がある方が良いそうです。

一日中、不安もなくゴロゴロしていると、早々に神様から招待状が届く事になりそうです(^^;

ときどきゲートボール絡みで事件が発生したりするようですが、そのような方の場合は、どう考えても脳神経系が衰えているなんて事はないそうです

(^^;

適度のストレスは必需品のようです(^^;;;;

 

食事の点では、前にも書きましたが、偏りのないバランスが重要のようですが、高齢になりますと、若いときとは違った理由での偏食というのが出てきてしまう部分もあるので、自分の食生活の中で、何が不足しているのかを把握して、そこを補助するような形を取る方が良いようです。

免疫系に直接作用する食べ物としては、クロレラや免疫牛乳なんてのもあるようです。

 

免疫系も神経系と同じで、寒いところで育ったマウスや栄養を控えめにしたマウスのT細胞の働きは良いそうで、逆に生まれてこのかた、バイ菌なんてものに出会ったことがないようなマウスの免疫系は、極めて貧弱なんだそうです。

消化器系でも、お粥ばっかり食べさせておくと、胃粘膜が弱くなって潰瘍がすぐできるそうです。

ある程度、外来の抗原の多い、多少汚らしい場所で生活している方が、免疫系は強くなるようです(^^;

 

この部分で大きな役割を果たすのが、免疫記憶という機構ですが、これに関して、再度触れておきたいと思います。

免疫記憶とは、一度入ってきた異物に対応できるリンパ球が残っている事により、次に同じ抗原が入ってきたときに即時対応出来るという機能ですが、この機能は、入ってきた異物の抗原性が高いか低いかで記憶力に、差が出るのだそうで、このあたりも、神経系の記憶とよく似ています。とはいえ、神経系の記憶のメカニズムはまだよくわかっていないようですが(^^;

 

異物が侵入しますと、免疫系全体が反応を示しますが、血清中に侵入者に対する抗体が現れ始めるのは、大体3日くらいたってからだそうで、最初に登場するのはIgM抗体です。

しかし、1週間くらいでIgG抗体に主役が交代します。

IgG抗体は、抗原との親和力が非常に強いそうで、一般的に感染症病原菌との反応も強いそうです。

ですから、IgG抗体がピークに達する頃に大体病気が良くなって行くそうで、その頃にお医者さんに行った人は、お医者さんが病気を治してくれたと錯覚するんだそうです(^^;

 

ところがどっこい、抗原性の弱い異物の場合、量の少ないIgM抗体が出現するだけで、なかなかIgG抗体が出てこないんだそうで、これは、免疫の記憶が弱いからなんだそうです。

2度目の侵入でも、抗原性が弱い場合は、IgM抗体しか主に作られないそうでして、1度目の免疫反応でIgG抗体が出来た様な、抗原の場合の免疫記憶は非常に強いそうです。

しかし、IgG抗体を作り出す記憶細胞は、全リンパ球の1%にも満たない程度だそうです。

ところが、このIgG抗体を表面に持つB細胞は、次に抗原が来たときには、急速に分裂して増えるんだそうで、このIgG抗体を持つB細胞よりも数が多いIgM抗体を表面に持つB細胞の増殖速度なんて比較にならないんだそうです。

B細胞は抗体を作ってぶっ放しますと、役目を終えて朽ち果てて行ってしまいますが、何も刺激を受けなかった記憶細胞は、マウスの場合で1年以上体の中に残るそうです。

これと同じ事がT細胞でも起こっています。

 

ちゃんちゃん。と終わろうと思ったのですが(^^;

 

ん?一年は体の中に残る?????

一度かかったら2度とかからない・・・・・????????

 

おかしいやんけ(^^;

 

 

T細胞等は比較的長寿のようですが、記憶細胞として残るB細胞は、数カ月のスパンの寿命のようです。

風邪等は、免疫記憶が弱い方に所属するようですので、まぁしょっちゅう遊びに来てくれます(^^;

が、免疫記憶が強い方に属するものに関してはまさに二度無し状態です。

 

ちょっと麻疹(はしか)を例に考えてみましょう。

 

いいところ数年しか維持されていそうにない免疫記憶によってなぜ麻疹が、一度かかったら、二度とかからないのかという所を見てみましょう。

 

まず、初めて麻疹に感染したところからスターとしましょう(^^;ミチハナガイ

 

ウィルスが侵入しますと、毎度お馴染み初期免疫系のみなさんが暴れ出します(^^;

マクロファージはウィルスを消化しようとしますし、NK細胞は、ウィルス感染した細胞を破壊にかかります。

ウィルス感染した細胞は、インターフェロンを作って細胞外に放出し、それを受け取った周囲の細胞は、ウィルス増殖を抑えるような能力を得ます。

しかし、多くのウィルスは、この闘いの場を耐え抜いて、所属リンパ節へ運ばれていきます。

リンパ節では、そこに定着しているマクロファージとどんぱちやるわけですが、マクロファージはウィルスを消化しようとしますし、ウィルスは取り込まれたマクロファージの中で増殖しようとします。

この時の、マクロファージ vs ウィルスの闘いのバランスで、次の段階である、血流に乗って全身に拡がるウィルスの量が決定されるのだそうです。

すなわち、ウィルスがまったくフリー、あるいは白血球に付着して全身に拡がるウィルス血症の程度が決定されるんだそうです。

最初に感染したウィルスに対しては、それを排除するだけの抗体は存在しませんし、抗体が作り出されるまで5~7日必要ですので、多くの場合、ウィルス血症の段階でも抗体は存在しないそうです。

こうして、初めての麻疹感染では、全身の皮膚や肺の細胞にウィルスが到達するのだそうで、皮膚の発疹は、細胞に到着したウィルスが周辺の細胞へ拡がった結果だそうです。

 

この様にして感染するのですが、この後、本格的に免疫発動になりまして、無事治ったとします(^^;

 

感染以前は、麻疹ウィルスを認識できるリンパ球が50~100個くらいしか存在しなかったのですが、一度感染したことにより数百個に増えています。

 

こうして、平和な日々が経過します(^^;

リンパ球にも寿命がありますので、その数が減っていく・・・・はずなんですが・・・・

 

普通ですと(今まではってところかな?(^^;)、毎年のように、自分の周囲で麻疹にかかる子どもが発生します。

数年にわたって、記憶細胞が残っていますと、それらの細胞が完全に消えてしまう前に、麻疹ウィルスの抗原刺激を再度受けることになります。

即ち、感染するが発症しないという状況が、何度も発生しているのです。

ですから、その度に、同じ抗原刺激を繰り返し、免疫記憶が更新されており、麻疹ウィルスが入ってきても、臨戦態勢を整えている免疫系によって排除されてしまって、発症しないわけです。

臨戦態勢の整っている所に麻疹ウィルスがやってきますと、抗体やキラーT細胞が効率よく速やかに作り出されますので、ウィルス血症になるまでには、充分な数が揃い、抗体分子が結合したウィルスは、次の細胞内に侵入して自分の核酸で情報を渡すステップを阻害されますし、恐いキラーT細胞(^^;が、襲いかかって排除されてしまいます。

 

ところが、これが最近変わってきているそうです。

これは、私達の生活スタイルの変化が原因と考えられているようですが、子どもの時に麻疹にかかったことがあるのに、自分の子どもが麻疹にかかったときに、同時に麻疹にかかってしまう親が出現しだしているそうです(^^;

核家族化や生活環境(主に人と人のコミュニケーションの部分でしょう)

の変化で、免疫の記憶更新が起こる機会が減っているのが原因ではないかとのことです。

 

免疫記憶は、実は同じ抗原刺激という記憶更新がともなって維持されているのです(^^;

 

くだらないギャグは破壊力は絶大ですが、抗原性が弱いようなので、繰り返し攻撃を受けても、なかなか免疫が出来ないようですが(笑)<

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