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201310/18

大腸の解剖

業界用語で言うところの、「消化器官」というのを、解剖学や生理学で学ぶ人達の教科書ってのは、口から始まってお尻で終わるらしく、実際に口からものが入って、うんこになって出ていく順番にだいたい項目が並んでいるそうです。

学生さんは、胃で沢山の知識を頭に詰め込み、小腸で知識が定員に達し、肝臓や膵臓という非常に複雑な器官を学ぶ頃には、知識の定員オーバー状態になるらしく、ここを過ぎて大腸に来る頃には、もうほとんど飽和状態

になってしまうようです(^^;

で、それを見越しているのか、教科書も大腸の部分は凄く薄いんだそうです(^^;;;

最後の〆を行う大御所の器官なのに、その扱いたるや前座並み(^^;

 

ただ、これには理由があるようでして、大腸にも結構重い病気はあるのですが、過去、日本に於ける病気と言いますと、胃や肝臓の病気が圧倒的に多く、消化器官を扱うお医者さんも大部分が胃と肝臓の専門家なんだそうです。

大腸を研究しようとしますと、「汚い」「粘液の為実験しにくい」「腸内細菌の事まで一緒に考えなくてはならない」と、えらく大変なんだそうです(^^;

大腸は、長さ1.5m程で直径は5cm位と、長さで小腸の2mと遜色ありませんし、太さでは、数倍ある大きな臓器なのですが、切腹しますと(^^;、

小腸は簡単に外に飛び出してきますが、大腸は強い膜に吊られておなかのへりの方に張り付いているので、解剖してもちょっと見えにくいと言うのもあるそうです。

それに加えて、小腸がないと食物を消化吸収出来ないので、生存の危機に見舞われますが、大腸の大部分を切り取ってしまっても、人間は生きてい

くことが出来るので、重要性が低いと考えられて来たようです。

日本では1950年代には、食糧事情が悪く、飢えや栄養不良というのが、身近な言葉だったので、栄養素を効率よく吸収するために、小腸の研究が

まず進んだということもあるようです。

解剖学や発生学では、小腸と大腸を合わせて「腸」というそうですが、お医者さんの世界では「腸」というと小腸だけを指す場合が多いそうです。

まぁ、栄養状態が良くなって、やっと大腸にも研究の目が向けられるようになったようですが、その数はやはり少ないそうです(^^;

 

というお寒い状況だったために、はっきり言ってちょっと前までは、正確な解剖図すらなかったんだそうです(^^;;;;;

だもんで、大腸のこの部分をどう呼ぶかとか、どういう血管や神経がどのように来ているかなんてのが、地図の空白地帯状態だったそうで(^^;

 

で、その後も困ったのが、人の大腸の解剖用語を人専業の医学者の人が歴史的な事情で命名したため、他の動物の研究結果がうまいこと利用できないのだそうです(^^;

人体解剖図でもどこかから引っぱり出して見て下さい。

人の大腸の大部分は「結腸」という管なのですが、人の結腸はおなかの中をへりに沿ってぐるっと廻っているので、区分するときにおなかの中での曲がり角を目印にしています。始まりの部分から、上行結腸・横行結腸・下行結腸と呼んでいるそうですが、これは人が二本足で直立しているからこういうふうになるんで、ほとんどの動物の場合、上だ下だと言われても困りますし、人と同じように曲がっているものも少ないんだそうで、動物の結腸のどの部分が人の各部分に該当するのかを決めるのが非常に難しいのだそうです(^^;

 

そんなもん、同じ大腸なんだから良いじゃないかと我々素人は思いますが、大腸の機能というのは部位によってまるで違うので、この区分をしっかり

確定することは非常に重要なのだそうです。

ですから、研究をする場合には、大腸のどの場所を研究したかが非常に重要なんだそうで。

 

人以外の動物の場合、大体2つか3つに分けると考えやすいのだそうで、神経系や血管の支配している領域を基準にすれば、いろいろな動物に共通する部位分けが出来るのではないかという話で進んでいるようです。

 

大腸のほとんどは結腸になり、結腸の最初の部分(近位結腸)と出来上がったほかほかのうんちが入っている後ろのほう(遠位結腸)に分けられるのですが、人の場合、近位結腸は発達しているけれど、遠位結腸はそれほど発達していないタイプに属するようです。

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