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201310/15

免疫に関わる因子

免疫に関わっている戦士達はどこで生まれ、どのような過去をもっているのでしょうか? 他人のプライベートに土足で入り込むのはよくありませんが、ちょっと探ってみましょう(^^; 彼らの故郷は、骨髄です。

骨髄には、「造血幹細胞」という細胞がいます。この細胞は、人が胎児の時代には、肝臓にあるそうです。

骨髄中での存在数は、骨髄細胞10万個に1個の割合だそうです。

この細胞は、自分自身も分裂して増えるのですが、サイトカインという免疫調節タンパク質群の働きで、働きの異なった細胞へ変化していきます。

このことを「分化」と言うそうです。 このサイトカインと言われる物に含まれているタンパク質群は、免疫系の各細胞の連絡用にも用いられるタンパク質群です(インターロキシンちう やつです)。

 

言葉だけで説明するとややこしいので、家系図をば(^^;

 

 

T細胞系幹細胞-前T細胞-胸腺細胞-T細胞

リンパ球系幹細胞

/  \ 造血幹細胞 B細胞系幹細胞-前B細胞-未熟B細胞-B細胞-形質細胞

| 単芽球-単球-マクロファージ

| /

| + 顆粒球マクロファージ系幹細胞(けがをしたところからの細菌や雑菌などを除去)

| |  \

| | 骨髄芽球-好中球

| +好酸球系幹細胞-好酸球

マルチ幹細胞 +

+好塩基系幹細胞-好塩基球

+赤血球系幹細胞(BFU-E)-赤血球系幹細胞(CFU-E)-赤血球

+巨核球系幹細胞-巨核球-血小板

 

この家系図で、一番上のT細胞から好塩基球までのことを一般に「白血球」

と呼んでいます。 末梢血液中にこれらがどれくらいいるかと言いますと(1立方mmあたり)、赤血球が500万、血小板が15万~50万、白血球が5000~1万・ ・・・匹(?(^^;)白血球内でのそれぞれの割合ですが、好中球が60%、リンパ球(TやB) が35%、単球が3%、好酸球と好塩基球がそれぞれ1%づつという割合だそうです。

 

ここには、書いてありませんが、アレルギー反応の重要な役目を果たす、 マスト細胞(肥満細胞)もマルチ幹細胞から作り出されます。

T細胞は、胸腺で教育を受けて、その中で再度分化をして、それぞれの役 目を果たす細胞になります。B細胞は、T細胞からの刺激などで形質細胞になり抗体をぶっ放します(^^;

 

骨髄で生まれたリンパ球系幹細胞の内、胸腺に移動した物がT細胞になり ます。

ところで、胸腺という臓器をご存じでしょうか?(^^;

この臓器はつい最近まで、何のためにあるのか判らない臓器だったそうです(^^;;; その昔は、心臓の脈動の緩衝器(枕みたいなもんだな(^^;)と思われてい

た時期もあったそうです(^^;;;;; こういう勘違いがなんで起こったかと言いますと、人間の場合、この臓器を摘出してしまっても何も起こらないのです(^^; なんでかといいますと、人間の場合、T細胞は胎児の段階で既に体内に播種し始めているそうで、生まれたときには既に末梢器官にT細胞は生活し

ているんだそうです。 で、T細胞自体は長寿なものですと20年からの寿命があるそうですし、自分自身も分裂しますので、よほどのことがないかぎりは、成人してから 再供給を必要とすることが少ないのだそうです。

リンパ節や脾臓で休憩していたり、血液中をくるくると廻っているT細胞 は、既に成熟してギンギンになっているT細胞です(^^;

この様に表現しますと、「はぁ~のんきだね」という感じですが(^^;、実 は、T細胞が一人前になるためには、胸線内で、超スパルタ教育機関にしごかれた上に、人間が受験するどんな試験よりも難関の試験をパスしなく てはならないのです。

で、この試験に合格出来なかった場合、極度に落ち込むのか、みなさん自害してしまいます(^^;

 

胸腺にやってきたリンパ球は、胸腺で教育を受けます。 ここへ来たときは、まだCD4もCD8もないT細胞(ダブルネガティブ)なのですが、教育機関に送り込まれたところで、CD4もCD8も両方を もったT細胞(ダブルポジティブ)になります。

こうして、最終年限(^^;になりますと、希望進路を相談する・・・かどう かは謎ですが(^^;、分化してそれぞれ片側の抗原しか持たない細胞に変化します。

こうして、とりあえず進路(ヘルパーになるかキラーになるか)が決定するのですが、ここで、厳しい卒業試験を受けなくてはなりません。

T細胞も抗原レセプターをもっています。ですから、ありとあらゆるパタ ーンの抗原との結合が出来る様に多彩なT細胞が作られるのですが、T細胞の性格を考えた場合、自己細胞と反応してしまっては困ります(^^;

ということで、自己抗原(自分自身のMHCクラス分子)との親和性のチェックを受け、このチェックで合格した物だけが、晴れて胸腺学校を卒業し、現場での任務に就けるのです。卒業倍率は100倍程度のようです。

では、ここで落第した細胞はどうなるのかと言いますと、最近ちまたで噂 のアポトーシスを起こして死んでいきます。

細胞の死には2種類のパターンがあります。 一つは、アポトーシス(apoptosis)、もう一つはネクローシス(necrosis)

と言います。 ちなみに、フォーラムに徘徊している妙な人の事をサブシスと言います ヘ(;^^)ノ

この二つの違いは、アポトーシスが細胞自殺、ネクローシスが細胞他殺と いう表現をされることがあることから想像できると思います。

アポトーシスは、生体が正常(健康)な状態を保つために細胞が死ぬ場合 に、ネクローシスは、何かしらの不都合が起こったために細胞が死ぬ場合に、多いようです。

この細胞死の様子も全く違います。

アポトーシスの場合、細胞が収縮します。この時に、最初に細胞核が壊れ ます。

そうして、細胞がいくつかの膜に包まれたアポトーシス小体というのになって、近くにいる細胞に食べられてしまうそうです。

これに対して、ネクローシスの場合は、細胞が膨れて破裂してしまう様な死にかたをします。核はかなり後まで正常に残っているそうです。

抗体が標的の細胞にくっついて、補体というタンパク質を活性化させますと、細胞膜に穴をあけます。この様なパターンはネクローシスです。

T細胞が細胞を殺すときにはアポトーシスを起こさせているのが見つかっているそうです。

アポトーシスの身近な例としては、人間の指が胎児の段階で形成されてく るときに、アポトーシスが起こっています。

もし、これが起こらないと、水掻きがついた指になってしまいます(^^; おたまじゃくしの尻尾が無くなっていくのもアポトーシスだそうですし、毛が抜けるのもアポトーシスだそうです(^^;;; 以前、髪の毛は長く伸びるのに、他の毛は何で髪の毛ほど伸びないのかと言う話がありましたが、髪の毛とあそこの毛(^^;を比べた場合、頭髪の毛 根細胞はなかなかアポトーシスにならないのだそうですが、あそこの毛等は、結構早いサイクルで毛根細胞がアポトーシスになっているんだそうでして、一般的に動物の毛も頭から尾に向けて次々とはえかわっていて、かなり早いサイクルでアポトーシスが起こっているんだそうです。

だから、動物には床屋へ行く必要がないんだそうな(^^; 「胸腺リンパ球のアポトーシスは」、薬で誘発したり、止めたりすることが出来るそうです(^^; Bなシトのばやい。 不明(^^;

 

あっ、1行で終わってしまう(^^;;;;;

 

リンパ球系幹細胞の内、胸腺へ行かなかったのが、B細胞になるようなんですが・・・ B細胞は、その存在はT細胞よりも古くから知られているんだそうですが、

その一生となりますと、T細胞よりも判っていないのだそうです。

 

骨髄内で生まれたB細胞の元は、骨髄内でやはり自己抗原との親和性のチェックを受けているようです。

こうして、リンパ節などに移ったB細胞は、異物が入ってくるのを待っており、抗原が結合し、T細胞などからの刺激が入りますと、形質細胞へ変化して大量の抗体生産に入るようです。

B細胞の分化に関しては、脾臓でも行われているらしく、詳しいことはまだこれからの研究にかかっているようです。

ただ、プレB細胞・未熟B細胞・成熟B細胞とそれぞれの段階で、細胞表面にもっているIgが変わるそうです。

 

しゃべれない免疫細胞達がどのようにして、情報や命令を伝え合っている のかということですが、実はジェスチャーで・・・・なわけはない(^^;

免疫系のいろいろな調整を行っているのは、サイトカインと言われているタンパク質達です。 サイトカインは、主にヘルパーT細胞が作りだし、各免疫細胞に作用します。

では、その特徴をば。

分子量6~60×10^3のタンパク質であり、免疫細胞の分化、増殖、応答、反応等に関与します。 局所的な産物で、作り出した細胞自体や周辺の細胞に作用します。

超微量で作用が可能で、細胞表面の特異的レセプターを通じて働きますが、1つのサイトカインが違う作用をもち、異なるサイトカインが同じ働きを することもあるそうです。

サイトカインは相互にネットワークを形成していて、その作用を調節しあっているそうです。 このタンパク質を細かく見ていくと書き手が死にますので(^^;、非常に重要な物ではあるのですが、軽く(^^;;;; 有名なインターフェロンもこのサイトカインの仲間でして、一時期はガンの特効薬と騒がれましたが、その働きがあまりにも複雑で、大量に投与し

ますと、目的としている以外の作用まで引き起こしてしまうために、現在では特定の病気に対して使用されているようです。

 

サイトカインは、インターロイキン(IL)という名前で分類されています。 ちと、代表選手を例に出してみましょう。

 

マクロファージは異物を取り込みますと、IL-1やIL-6を作り出します。これが血流に乗って全身に拡がりますと、異物侵入警戒警報になります。具体的にはB細胞は分化しますし、T細胞は活性化します。

IL-2は異物と反応したヘルパーT細胞が主に作り出しますが、これを受け取ったB細胞もT細胞もNK細胞も成長を促進されます。

IL-3は、マルチ幹細胞の増殖と、各白血球への分化の促進という造血系を活性化させます。

IL-4の場合ですと、異物と結合しているB細胞ではIgGの産生促進等を受け、T細胞は成長しますが、マクロファージは活性化が抑制されます。

このIL-4の作用でアレルギーの主役IgEも作られるようです。

IL-5は、好酸球の活性化分化の促進と分泌型IgAを作る際に作用するそうです。 まだまだありますが・・・・(^^;;;;; では、もっと具体的に見てみましょう。

 

異物が侵入してきますと、まずマクロファージがごちそうさまをしまして(^^;、

ヘルパーT細胞に抗原提示をしつつIL-1を放出します。

これを受け取ったヘルパーT細胞が活性化しまして、IL-2を放出します。 すると、これを受け取ったキラーT細胞が増殖し機能も分化します。

「ニイタカヤマノボレ」でございます(^^; 大抵、感染なんてのをしますと、発熱して「う~んう~ん(@o@)」となることが多いのですが、この発熱を起こす発熱物質がIL-1なのだそうです。

なんで発熱するかと言いますと、多くの微生物は熱に弱いのです。で、BやT細胞、マクロファージ等は少々高い温度の方が活性化するんだそうで、発熱というのは、敵を弱らせて味方を強力にする手段なんだそうです。

で、熱と共に、痛みなんてのも起こるわけですが、これにも実は理由があるんだそうで、原因は同じIL-1だそうです。

筋肉組織にIL-1が放出されますと、筋肉のタンパク質に分解が起こり、そこで痛みが生じるらしいのですが、この時同時にエネルギーの放出が行われるそうで、感染したときの痛みは、闘いに必要な緊急エネルギー補給 の結果なのだそうです。

この結果を踏まえてっ!(^^;

 

熱が出た、痛い、ということで、すぐに解熱剤や鎮痛剤を飲むと、生体防御の抑制をすることになるのであります。

少しはガマンしましょう(^^;

 

 

さて、最近は、サイコスリラーとかが流行っているようで、普段は良き隣 人が突如悪魔に・・・・で、また何もなかったような日々が流れ・・・・・・・・。

 

ということで、こういう方が免疫系にもいらっしゃいます(^^;

 

「補体」と言われている方々なのですが、物語の中で犯人が複雑に隠蔽されるのと同じで、この方々の動きも非常に複雑でして(^^;

 

普段は、血中をふぅらふぅらしておりまして、なぁんもしません。平和な方々なわけです(^^; ところが、異物の表面や非自己と結合した抗体を見かけますと、ムラムラと来るらしく、いきなり凶暴になります(^^; 補体は自分自身が9つの成分(C1~

C9)からなっていて、活性化の連鎖反応を助ける因子や無用な場所で連鎖反応が起こらない様にする抑制因子も含まれているそうですが、、普段はそれぞれがバラバラで血中を廻っているんだそうです。

さて、張り付いている抗体を見つけますと、まずC1が興奮・・・・活性 化して、C4を呼びます。C4はaとbに分裂してC2を呼び、C2もaとbに分裂してC3を呼び、これもaとbに分裂して・・・・・C5→C 6→C7→C8→C9という連鎖反応に入ります。

餌に群がる蟻の様です(^^;

この連鎖反応を「正経路」(古典経路)と言うそうです。 C3bは、抗原の表面に付着すると、集合してきたマクロファージや好中球のC3レセプターとも結合して、食細胞と抗原の間にブリッジを作り、食細胞の食欲が増進されます。

食細胞にとってC3bは調味料となるようです(^^;

これを「オプソニン効果」と言うそうです。

さて、物語で犯人は、ときどき普段と違った行動をとって、捜査側が混乱する場面が出てきたりしますが、補体の場合も、正経路と違った反応を示す場合があります。

細菌等が侵入してきているのだけれど、抗体がまだ作られていない様な緊急の場合、この方々は、細菌の表層にある、リポ多糖体構造というのによって、ムラムラ来るんだそうです(^^;

この場合は、C3から活性化されまして、後は正経路と同じだそうです。

 

補体の反応は、一つの活性化成分によってaとbの活性化産物(一方は酵素)が生まれ、次の成分に作用していく反応で、結果として各成分から活 性物質が生まれてきます。

この成分は、C3a、C5aの様に体液中に放出される物と、C3b、C5b~C9複合体の様に異物に付着する物に分けられるそうです。 体液中に放出された方は、アナフィラトキシンとして作用し、一種の過敏症を起こさせるそうで、これは、肥満細胞に作用してヒスタミン等を遊離させるからだそうです。

C5aは、異物や非自己と結合した抗体がいる場所へ好中球を集中的に集める道案内の役割をするそうです。

補体は、この様に独立して攻撃をするだけではなく、実はもっと恐ろしい 攻撃手段をもっています。

C5b~C9複合体は、異物の膜にトンネルを掘って潜り込み、異物の膜 に通路を作ってしまいます。これを「膜障害効果」と

いうそうですが、これによって、異物の内容物が流れ出して細菌は溶菌という状態になり死ん でしまいます。

 

 

 

「あと、おもに細胞に存在し、活性酸素などの物質から防御してくれるSOD(抗酸化物質)という酵素も忘れずに。

SODを増やすには、アミノ酸、亜鉛が不可欠で、たんぱく質の摂取などの食生活にあるそうです。

 

また、リンパ球を構成する物質に直接働き、細胞の再生などを活性化するドーパミンや、逆に抑制する神経伝達物質のノルアドレナリンがあります。

乳酸菌:リンパ球を活性化。

プロポリス(蜂の中でつくられる):リンパ球・顆粒球を活性化。

アミノ酸:当然、細胞再生能力を高めます。(勿論取りすぎはだめですね!バランス良く摂取しましょう)」

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