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カルシウムと病気2
では、これから実際の病気とカルシウムがどのように関係しているのかを見てみたいと思います。
進行性筋ジストロフィーという病気は、遺伝による物で男の子だけにあらわれるそうで、歩行が困難になり、やがて呼吸も出来なくなり、20歳まで生きることは稀だそうです。
この病気の遺伝的な異常は、細胞膜にあるジストロフィンというタンパク質が先天的に欠乏している事だそうで、その為に細胞の中にカルシウムが入りやすくなってしっまているのだそうです。
その結果がどうなるかと言いますと、細胞の中のカルシウムが多くなり、細胞内外のカルシウム濃度差が少なくなり、カルシウムがタンパク質分解酵素を刺激して細胞を分解してしまいます。
細胞内のカルシウムの増加は、いろいろな原因で起こる細胞の損傷や病気の時に起こる現象だそうで、例えば心筋の場合、酸素供給が減少しますと細胞内カルシウムが増加します。細胞膜に小さな変化が生じただけでカルシウムは細胞内に入り出すそうで、筋肉ではセレニウム不足で障害が起こ
るそうですが、この時も障害が形になってあらわれ出す前にカルシウムが細胞内に入り込んでいるそうです。
カルシウムは、リン脂質水解酵素を活性化して細胞膜を壊し、アラキドン酸というのを放出させ、それによってプロスタグランジンとういのが作られ、フリーラジカル(遊離基)が出来て、更に細胞膜障害が起こり細胞内のカルシウムが増加するそうで</B>(よくわからんぞぉ~(^^;)、後ほど触れますが、動脈硬化や癌等のいろいろな病気が、この細胞膜変化と細胞内カルシウムの増加で起こるそうです。
この様に、カルシウム不足等によるカルシウムの増加というカルシウムパラドックスは、あらゆる病気の原因では無いにしろ、誘発因子になっている可能性はあるそうです。
という長い前振りを終えて(^^;、タイトルの件へ。
さて、「カルシウム不足」ということから私達一般人が一番最初に思い浮かべるのが「骨が弱くなる」という事だと思います。で、あらゆる人間の病気の中で一番多い病気は何か?といいますと、骨粗鬆症だそうです。
お年寄りの腰痛の原因で一番多いのがこれだそうですし、腰が曲がるのも原因はこれ。骨が折れやすくなるのも原因はこれ。以前は「歳をとったら腰が痛くなるのは当たり前」と医者も言っていたそうで、病気とは認められていなかったそうです(^^;
現在では病気の一つとして認められているようですが、病気としての原因やその診断法や治療法などをよく知っている人は意外と少ないそうです。
この骨粗鬆症と人のおつきあいは非常に長いわけで、東西を問わず、おとぎ話等に出てくるおばあさんは腰の曲がった人が多いですし、スフィンクスの有名ななぞなぞの朝4本足で・・・・というのもまたしかり。
古墳などから出てきた人骨の性別や年齢、どんな仕事をしていたか等がお<およそ見当つけることができるのは、骨が年齢と共に変わって、力の加わり方によってもいろいろな形になるからだそうで、石器時代から現代に至るまでのいろいろな年齢層の人の骨を調べてみると、成長が止まった後は、歳と共に骨は減少して弱くなっていくという事だそうです。
しかし、この誰にでも起こる骨の減少を骨粗鬆症と言えるかどうかとなりますと、健全な減少と骨粗鬆症の境目というのが結構難しいのだそうです。というのも、50代の人が、30代の時と比べて骨が多少薄くなっていても別に骨折の心配があるわけではありませんし、加齢と共にいろいろな器官や筋肉が衰えてくるわけで、歳をとっても若いときと同じ骨の重さだっ
たり、どんどん重くなるような物だったら動くのが大変になってしまう・・・・・かもしれません(^^;が、体の柱としての骨があまり減少してしまうと、支えきれなくなってしまいますので困ります。
一般に骨粗鬆症というのは、正常な骨の減少の範囲を超えて、自分の体重すら充分に支えることが出来なくなってしまった様な状態をいうそうです。だもんで、いつのまにかという事が多々あるそうです。
人間の特徴に直立歩行というのがありますが、これは脳の発達によって頭を支えきれなくなったのが原因と言われています。
しかし、元々この様な重たい物を支える事を考えて出来上がっているわけではない背骨は、歳をとって骨の量が減少してくると、上からの力を支えきれずに潰れていくそうで、これが<B>圧迫骨折</B>と言われている物です。(私は経験者・・・ってスキーが原因ですが(^^;)円筒形がいくつも積み重なった様な形をしていますので、一つでも潰されると痛くなるし曲がってきます。骨粗鬆症は人類特有の病気で、長生きすればするほど全ての人に起こる病気なんだそうです。
さて、骨粗鬆症は、長生きすれば誰でもなってしまうという事の様ですが、実はなりやすい人というのが存在するそうです。何が、そう言った差を生み出すのかを見てみましょう。
骨は構造上2種類の部分に分けられるそうで、骨の表層部分の皮質骨、中身である海綿骨というのがあるようなのですが、大体18歳位で海綿骨は最大値になるそうです。皮質骨は50歳くらいまで増加を続けることもあるそうで。子どもの頃では、男女の骨量の差はあまりないそうですが、思春期になると男性の方が骨が太くなるそうです。
成長期には、一年で身長が6~10センチも伸びるわけですが、この時伸びるのは主に手足だそうで、歳をとって背が縮む時は座高が低くなるそうです。
これは、背骨を構成している錐体1つが1ミリ小さくなると、全部で24個ありますので、2.4センチ背が縮むからなんだそうで(^^;
一生の内で骨が最も強く太い状態のことをピークボーン(最大骨量)と呼ぶそうで、男女共に30~40歳の間にこの状態になるそうで、後は歳と共に減って行くそうです。
女性の場合、男性よりも元々の骨量が少ないので、同じ様な減少をしますと、より早く危ないレベルに突入してしまいます。骨量減少の問題は、骨量が減ったといっても体の大きさがそれに比例して変化するわけではないですし、骨一つ一つが細くなったりしているわけで
はありません。
外観がほとんど変わっていないのに、骨の量が半分に減ってしまうという事もあるそうで、実態はがらんどうの骨という恐ろしい状態になっているそうです(~~;
一般に歳を取りますと外観がそれほど変化していないのに内部が薄くなって内容が乏しい状態になるのは、いろいろな器官で見られる現象だそうで、体の機能を担っている細胞は、全体的に徐々に減少していっているそうです。にもかかわらず、全体的なサイズ等の変化が出ないということは、実際に
働いている細胞以外の物、例えば、細胞同士を結びつけている結合組織や余ったエネルギーを貯める脂肪組織などのあまり役に立たない組織が増えてきた結果で、見かけ倒しの状態なんだそうです。
さて、昔話をちょっと思い返してみますと、腰の曲がったおばあさんと腰の曲がったおじいさんの比率は圧倒的におばあさんに軍配が上がります(^^;
ということで、なりやすい人の条件その1は「女性」、それも更年期以降の女性です。この辺は先に触れましたね。エストロゲンというホルモン分泌量の問題です。
で、その2が・・・・・痩せている人なんだそうです。
えっ?と思うかも知れません。一般に老人病と言われている物では肥満が危険因子とされており、糖尿病・高血圧・動脈硬化などでも肥満は危険と
いうのが常識になっています。
が、骨粗鬆症に関しては全く逆なんだそうです(・・?太っている人は骨粗鬆症になり難く、骨折も起こしにくいそうです。
なぜか・・・・いろいろと考えられるそうですが、骨は体の重さを支える事が重要な役割です。体重が重ければそれだけ頑張って強くなるのだけれど、軽いと手抜
きをして細くなってしまうというのもあるそうで、骨を強くするには常に負荷がかかって筋肉によって引っ張られていなければならないそうです。
また、皮下脂肪には卵巣の代わりにある程度のエストロゲンを作ることができるそうでして、その為に皮下脂肪の多い女性はエストロゲンの欠乏が起こりにくいのだそうです。